当社のDX事情

DX担当を命じられてテンパってる担当者のブログ

何から始めるべきか【準備編】

DXとは何か、そして、DXを行わなければならない理由も何となく分かった。
では何から始めるべきか。

当社の実情と所感をお伝えしたいと思うので、良ければ参考にして頂きたい。

 

①まずは信頼できるコンサル会社と契約を締結
 いきなり外に頼るんかい!と言いたくなってしまうが、これは当社あるあるで、大きなプロジェクトを実施する場合にはまずコンサル会社と契約する。
 自社で検討を進められない訳ではないが、伴走してくれる信頼できるパートナーを備えることで水先案内人としての役割から役員への説明資料の作成まであらゆる業務をお願いする。


要はお金を払って失敗のリスクを下げる効果が期待できる。

 

しかし、ご存知の通りコンサルは費用が高い。約3ヶ月の契約で、オプションをフル装備した高級国産車を1台購入できる額をお支払いしている。

(補足)コンサルの選定について
 当社の場合、長く付き合いのある「いつもの」コンサル会社にお願いをすることが多い。当社の事情を良く把握しているから、というのが大きな理由だが、良く知ってくれているからこそ細かな要望まで聞いてくれるというメリットがある。

 外資コンサルについてはあまり把握していないが、DX関連ではアクセンチュアの名前をよく聞く。アウトプットに大きな違いはあるのでしょうか。ご存知の方がいればぜひ教えて頂きたい。


②事業会社各社社長へ全社で取り組むべき事項であることを認識させる
 当社の場合、偉い人同士でまずは会話をしてもらい、会社として重要な取組みであることを把握してもらった。勿論、会社によって現在の経営状況や割ける人員や予算にも限りがある為、全員が全員、前向きに首を縦に振ることは無いのだが、その後各社社長が社内でメンバーを選定し、DX実現に向けた体制が整った。

 

次回は実践編。当社がどの様にDXを進めているのかをお伝えしたい。

 

dxtantou.hatenablog.com

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なぜDXが必要なのか

なぜ日本企業の多くがDXの取組みに躍起になっているのか(当社もそのうちの1社)。
当社では、2021年の年初に役員陣の間で「DX」というキーワードが飛び交い始め、早々に推進メンバーが選定されました。ざっくり言うと、システム部門、マーケティング部門から偉い人を取りあえず集めました。

 

では、なぜDXを行う必要があるのでしょうか。
それは、経済産業省が纏めた「DXレポート」に書かれています。

サマリー版はこちら↓

DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
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■2025年の崖
 ・既存システムが事業部門ごとに構築され全社横断的なデータ活用ができない
 ・過剰なカスタマイズにより複雑化・ブラックボックス
 ・上記問題や業務の見直しを行いたいが現場の抵抗も大きくいかに実行するかが課題
  ⇒ 上記課題を克服できない場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性あり

 ◆経営面
 ・データを活用できない場合、市場の変化に対応できずデジタル競争の敗者に
 ・システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上に
 ・保守運用の担い手不在によるシステムトラブルやデータ滅失のリスクの高まり

 ◆人材面
 ・2015年のIT人材不足17万人 ⇒ 2025年にIT人材不足(約43万人)
 ・古いプログラミング言語を知る人材の供給不可

 ◆技術面
 ・2020年:Win7サポート終了(システム全体の見直しが必要)
 ・2024年:固定電話網(PSTN)終了
 ・2025年:SAP ERPサポート終了
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つまり、
古くから使用してきたシステムのサポートが終了
過剰にカスタマイズされたシステムに詳しい人材の退職
情報化社会の到来(データの扱いが膨大に)

これらの状況がこの先同じタイミングで起こりそうな状況であり、対応できなければ大きな損失を被ると言っているのです。


私はこのサマリーを読み、当社の現状を言い当てられた気がしました。
あらゆる場面に対応できると自負する、当社の使いづらいシステムは、カスタムにカスタムを重ね、当社オリジナルのものになっています。
(その為メンテナンス費用も高額)

 

また、問題が発生する都度、社内に常駐している外部パートナーに依頼しており、
当社社員についてはその詳細まで理解している人はもはやいない状態になってしまっています(複雑化・ブラックボックス化)。


社内メンバーの多くが当初設計したシステムの中身を理解していないことになれば、データを使いこなすレベルの話ではなく、会社の危機を迎えると言っても過言ではないのではないでしょうか。

 

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DXってなに?

DX = Digital Transformation

  DXの担当を命じられたものの、何から手を付ければ良いのか分からない。
そもそも、、なぜDTではなくDXなのか。調べてみると

「Trans」 には交差という意味があり、交差を(1文字で)表す「X」を用いて表現

したそうである。へぇ。。

 

DXの成り立ちを確認し、「DX」という言葉の定義について調べてみたところ

 下記3点が著名な定義の様である。

■広義のDX
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念
 スウェーデンウメオ大学教授、エリック・スタルターマン/2004年

 

■狭義のDX
デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること 
スイスのビジネススクールIMD教授、マイケル・ウェイド/2019年 

 

■日本の経産省による見解
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
経済産業省、デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインVer. 1.0/2018年


つまり、DXとは、
IT・デジタルの力(技術)を使って既存のサービスやビジネスモデルを改善し、他社に勝つ基盤を作ること

次回は、なぜこのDXが世間を賑わすほど話題となったのか、なぜ当社は慌てふためき始めたのか、

そのあたりについてまとめてみようと思う。